ヒップホップとラップは何が違うのかとよく聞かれます。
そこで、今回はその違いについて説明します。
簡単に言うと、ヒップホップとはニューヨーク発祥の黒人文化のことをいい、ラップとはその文化の1つに過ぎないのです。
ヒップホップとは
ヒップホップの起源
ヒップホップとは、上記の通り、1970年代にアフリカ系アメリカ人によってニューヨークブロンクス区で生まれた文化です。
当時のニューヨークは、財政破綻状態に陥っており、特にブロンクス区にはスラム街がありました。
そこには、お金を持っていないアフリカ系の人が多く住んでおり、路上や公園で音楽を流して騒いでいました。
そこで音楽に合わせて歌ったり、ダンスをしたり、落書きをしたりして生まれたのがヒップホップカルチャーです。
路上で誕生した文化なのでよくストリートカルチャーといったりします。
※起源については諸説有り
ヒップホップの4大要素
ヒップホップには4つの要素があります。
MC、DJ、ブレイクダンス、グラフィティーがその構成要素です。
- MC:microphone controllerの略、つまりラッパーのことを指します
- DJ:選曲して、それを操作する人
- ブレイクダンス:派手なアクロバットを多用するダンス
- グラフィティー:スプレーを使い、壁などに描かれたデザイン。日本では落書きと言い表すこともある
これに加え、ダボっとした服装やビートボックス、知識を構成要素として扱うこともあります。
ヒップホップという生き方
文化を捉えるには、そこで共有されている考え方や価値基準を知ることが必要です。
文化とは、複数名により構成される社会の中で共有される考え方や価値基準の体系のことである。
実用日本語表現辞典 https://www.weblio.jp/content/%E6%96%87%E5%8C%96
では、ヒップホップでは、どのような考え方や価値基準があるのでしょうか。
1つの例として、ヒップホップには仲間が大切だという考え方があり、仲間を裏切ることは絶対にやってはいけない行為とされています。
アメリカでは、裏切り行為をsnitch(スニッチ)とよくいわれます。
当たり前かもしれませんが、このような価値観が根強いのです。
ラップとは
ラップとは、ヒップホップの構成要素の1つで、韻(ライム)を踏むのが特徴的な歌い方のことを指します。
DJがビートを流して、ラッパーがストリート独特な言葉を多用して歌うのです。
ラップの起源はヒップホップカルチャーより先立っており、西アフリカの伝統伝達者のグリオからきていると考えられています。
彼らは、歴史上の英雄物語や遠方の情報生活教訓などをメロディーに乗せて人々に伝えていたそうです。